最近、健康診断の結果で脂肪肝と書いてあったけど何?っといった声をよく聞きます。
また、脂肪肝は痩せている方にはならないようなイメージがありますが、痩せている方でも脂肪肝と診断される方は多いようです!
そんな脂肪肝と診断されてしまった場合の原因や改善方法など調べてみました。
脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が大量に蓄積した状態をいいます。
肝臓の周りにたくさんの脂肪がついている状態と思っている人が多いようですが、肝臓の周りではなく、肝細胞の一つひとつに脂肪がたまってしまっている状態の事をいいます。
健康診断などで、要観察になっていて再検査になっていないことが多い事から、ついつい放置してしまうことがあると思いますが、そのまま放置していまっている方は要注意です。
脂肪肝は放置していると、肝炎や肝硬変、そして将来的に肝臓癌(がん)になってしまう可能性が高くなります。
しかし脂肪肝は早期に生活習慣を改善することで、元の正常な状態に戻すことが可能です。
脂肪肝の原因は?
過栄養性脂肪肝
食べ過ぎと運動不足が原因の「過栄養性脂肪肝」。
最も多いのがこのタイプで、特に肥満傾向にある方は要注意です。
運動を全くせず、暴飲暴食の食生活を続けると、肝臓にたくさん脂肪がたまっていき、約3ヵ月くらいで脂肪肝になってしまうようです。
この原因の脂肪肝には、糖尿病になる可能性もあるので、病院などで検査するといいかもしれません。
アルコール性脂肪肝
お酒の飲み過ぎが原因の「アルコール性脂肪肝」。
アルコールを飲み過ぎると肝臓に大きな負担をかけます。
体内で完全にアルコールを分解できる時間は、清酒2合なら7時間以上、ビール1本なら最低4時間が必要とされています。
「日本酒を毎日3合以上飲み続けると、1、2年で脂肪肝になる」というデータもあります。
■節度ある1日の飲酒量
- ビール・・・中ビン1本(500ml)
- ワイン・・・グラス2杯(200ml)
- 25%の焼酎・・・0.5合(90ml)
- ブランデーやウイスキー・・・ダブル1杯(60ml)
この範囲であればばアルコールによる肝障害のリスクは低いと言えますが、アルコール代謝には個人差があります。
もともとお酒が弱い人は、上記の量でもでも飲み過ぎという場合もあります。
どれだけ飲んだかをチェックするよりは、二日酔いならない飲み方にする生活することが大切です。
二日酔いは、肝臓がアルコールを処理できずに、悲鳴を上げている状態と覚えておくと、お酒の量を減らせるかも!
ダイエット脂肪肝
ダイエットが原因の「ダイエット脂肪肝」。
実は、太っている人が限定で脂肪肝と診断されるわけではないのです。
極端にカロリーを抑えた食事を続けているときも、肝臓に脂肪がたまっていって、脂肪肝になります。
1日にパン1個だけ、卵だけ、果物だけなど、一つの食品ばかり食べるようなダイエットをしている人は要注意です。
栄養バランスのとれた食事にしないと、痩せているのに脂肪肝になってしまう場合があります。
無理な食事制限を行うダイエットはしないようにしましょう。
非アルコール性脂肪性肝炎
上記3つのタイプに当てはまらないのに、脂肪肝と診断される場合があります。
その場合、エコー検査では見た目は全く脂肪肝と同じです。
しかし、これは単なる脂肪肝でなく、実は肝炎が潜んでいる病気なのです。
アルコールを摂取していないのに肝臓に脂肪がたまってくることから「非アルコール性脂肪性肝炎」(ナッシュ、※NASH)と呼ばれています。
この「NASH」が問題なのは、発がんリスクをともなう肝炎であるということです!
※NAFLD = nonalcoholic fatty liver diseaseの略。
「非アルコール性」とは、飲酒習慣がないか、1日1合(ビール大瓶1本)以下しか飲まない人を指す。
NASHの場合、肝硬変や肝がんへ進行するかもしれない!
90年代頃から、飲酒量が適量以下であるのに脂肪肝から肝炎を発症、その後肝がんへと進行するケースが増加し問題になっています。
健診等で肝機能障害を指摘される人の中で10人に1人が、この「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」の可能性があるとされています!
患者数はだいたい100~200万人で、そのうち2、3割が約10年で肝硬変や肝癌(がん)へ進行すると推測されています。
非アルコール性脂肪肝から肝硬変になるのはアルコール性脂肪肝に比べて低くなっていますが、非アルコール性脂肪肝炎になると肝硬変に進む確率が高くなります。
ウイルス性肝炎の場合に肝硬変から肝癌(がん)へ進展する確率は30%程度ですが、非アルコール性脂肪肝炎の場合には5~20%で肝硬変に移行に肝細胞癌(がん)に進展する場合は0~15%です。
改善方法や治し方は?
食事療法
良質の肉や大豆製品などはある程度食べ、タンパク質が不足しないようにしましょう。
反対に、ご飯やパン、めん類などの糖質、肉の脂身やチーズなどの乳製品に多い脂質は、控えめにします。
もちろん暴飲暴食はNGです。
運動療法
食事や飲酒の量は、それほど制限しなくても、運動さえしていれば脂肪肝になること少ないです。
ウォーキングなどの有酸素運動は、脂肪肝を予防だけでなく、脂肪肝になってしまった肝臓を元に戻す効果もあります。
有酸素運動を続けると、脂肪が燃焼し、体重が落ちてきて、肝臓の中にたまっていた脂肪も抜けてます。
その脂肪が抜けた部分に隣の肝細胞が分裂し、新しい肝細胞が入っていきます。
そうやっていくうちに脂肪肝ではなくなっていきます。
睡眠療法
少なくとも6時間しっかりと睡眠をとるとよいでしょう。
しっかり寝ると体が脂肪を燃焼するモードに切り替わります。
寝る前に食事をしないなども心がけてください。
まとめ
要観察になっているとついつい大丈夫だろうと放置してしまいがちです。
どの診断にも言えるのですが病気は早期診断・早期発見がとても重要といえます。
何年も脂肪肝と診断される場合は一度病院で診てもらった方がいいかもしれません。
肝臓の生活習慣病ともいわれるNASH。その数は今後ますます増えると考えられます。
運動療法、食事療法で発症予防にしていきたいですね。